高1生、8時間指導直後に転落 SNSトラブルで~2017年12月26日付神戸新聞より~以下引用
【 学校関係者らによると、男子生徒は今月発覚したツイッター上のトラブルについて22日、始業前から1階の個室でトラブルの内容や経緯などを聴かれるなどした後、休憩や自習を挟みつつ、翌日以降に別室での指導を受けることを告げられた。指導を終えた十数分後の午後5時ごろ、敷地内で倒れているのが見つかった。校舎5階の窓が開いており、ここから転落したとみられる。
同校の関係者によると、同様の指導では、朝から1人で別室に入り、一日の予定を書き出し、それを実践できたかなどの反省を記したり、学校や家族について作文を書いたりするという。期間は2週間近くに及ぶこともあったといい、生徒指導担当教諭から「高校を辞めるか」などと強い口調で言われた生徒もおり、関係者は「指導を受けた後、かなり落ち込んだ様子の生徒もいた」と話した。】
~以上引用。
新聞の情報だけではありますが、これが事実であるならば指導死につながる典型的かつ重大な事件です。何よりもまずは生徒さんの回復を心より願ってやみません。
「指導死」は、正しいはずの教員からの「指導」により、児童生徒が心身ともに追いつめられることによって発生します。
学校を正しい場であると信じる親たちは、子どもが学校で叱られたら「悪いことをしたから指導されても仕方がない」と思ってしまいがちです。
もちろん学校という場は、子どもの心身ともに健やかな成長のために、時に子どもを強く叱ることもあるかもしれません。
でも考えてみてください。
子どもは、悪いとわかっていても友達との悪乗りの延長で悪さをしてしまうことがあると思いませんか?時に自分を守るためにちょっとした嘘をついてしまったり、グループの中で意見が対立してしまい、相手に罵詈雑言を浴びせてしまうこともあるでしょう。
でもそれは、子どもとして当然すぎる成長過程ではないでしょうか。
嘘をついて友達に嫌われてしまったり、ダメとわかっていても好奇心に勝てずに悪さをしてしまって、後で後悔したり。そうして子どもは「嘘をついたら返って大変なことになる」事を体験し、悪さをして、後で後悔して、喧嘩もして、そうして社会性を身に着け大人になっていくのではないでしょうか。
その、子どもとして当然の成長過程を補助してやるのが、学校という場であり教員の役目ではないでしょうか。
学校の先生は、警察官でも裁判官でもありません。
まだ十数年しか生きていない子ども達です。大人と同じ倫理観を持ち、大人と同じ自制心を持っている方がむしろ少数なのが当然で、そうでなければ学校など必要ないでしょう。
学校の先生がすべきは、子どもの言い分を聞き、子どもが自発的に自分を見つめ直す機会を作ることではないでしょうか。
悪さをした生徒をとことん罰し、友達との交友も制限し、お前はろくな大人になれないと脅し、別室で長時間に渡り強制的に反省文を書かせることが、本当に生徒の成長につながるのでしょうか。
自分のしたことが重大な犯罪同様の行為で、もう生きている価値さえない、と生徒に思わせるような指導は、本当に子どものためになっているのでしょうか?
冤罪は言うに及ばず、たとえ何かしらの悪さをしてしまったとしても、子ども達がその人間性まで否定されるものであってはならないはずです。
「学校」が、子ども達を罰する場ではなく、その成長を促し見守る場になってほしいと心から願います。(Y)
[2017.12.26(
Tue) 22:29]
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